工場勤務が底辺って言われているように思えますが思い込みです。その理由を紹介していきます。
もくじ
工場勤務が底辺と言われている5つの理由
- 大型掲示板サイトで工場勤務=底辺と言われていた
- 学歴が低い人が多い
- 仕事内容が単純と思われている
- 3K(きつい、くさい、きたない)が揃っていると言われている
- 単純作業しかできない人が働く所と思われている
というような工場勤務が底辺だと言われる理由があります。
ですが、1つ1つ見ていくとそれって底辺なの?と疑問が生まれてくるのがわかるでしょう。
大型掲示板サイトで工場勤務=底辺と言われていた
この大型掲示板サイトでは、ニート、無職が多いのは有名な話です。
今では名前も変わり、時代の流れによって昔ほど活発ではないように思えます。
ニートや無職が多い中、工場勤務をする人を底辺だと言うのはただの煽りだとしか言えませんよね。
自分の方が底辺だけど、あえて底辺職を作り上げる常套句なのではないでしょうか。
この某大型掲示板は耐性がない人なら信じてしまいますからね。
私の見解ですが、工場勤務が底辺だと言われたのはここが発祥だと思っています。
ニートや無職が「工場勤務をしている人に工場勤務する人は底辺」だといって説得力ありますか?考えてみましょう。
学歴が低い人が多い
学歴だけを見れば、確かに工場の現場作業者自体は学歴は低いです。
しかし工場勤務している人がすべて現場の作業者ということはなく、設計や品質保証、経営陣などは高学歴の場合がほとんどです。
工場に限ったことではなく、どこの会社でも高学歴な人もいれば低学歴な人もいます。
他にも高学歴でもコミュニケーションがとれなかったり、不器用な人も工場の現場で働いています。
不景気で就職先がなく工場でずっと働いている人もいます。
人それぞれ環境が違い、工場で働いている理由も違います。
このように、学歴が低いからといって底辺というわけではありません。
仕事内容が単純と思われている
仕事内容が単純と思っている人は、ほとんど工場で働いたことがない人が多いです。
主に工場勤務のイメージがコンベアで流れてきた物を1つ1つ処理していくというのが多いと思いますが、実際はすべての工場がそんなことをしているわけではありません。
では実際の作業はどういったものかというと、機械で作業するなら製品をとりつけるのも100分の1ミリ単位だったり、数値の補正も0.01ミリ単位だったりします。
かなりシビアな世界なんです。
そういった工場に搬入される機械も工場で作られるのですが、基本的に100分の1ミリの精度を加工したりする機械は1000分の1ミリ単位で作らないと精度がでないと聞いたことがあります。
手作業の場合でも、少なくとも0.1ミリ単位で作業できないと良いものはできません。こういった仕事内容が単純なのでしょうか?
3K(きつい、くさい、きたない)が揃っていると言われている
きつい、くさい、きたないの三拍子が揃っているとよく言われますが、いつの時代のことを言っているのでしょうかと思います。
戦中、戦後は私はまだ生まれてもいませんがその頃は3Kが揃った職場が多かったと思います。
現代の工場は、3Kのうち全部が当てはまるというところは少なく、あったとしても一部分だけきつい、ある所がくさい、きたないというのは主観でしかないのでわかりませんが3Kが揃っていると言われる程、厳しい環境ではありません。
きついというのも、仕事はきついときなんていくらでもあります。
体力的にきついところもあれば、精神的にきついところもあります。それはどこでも同じですよね。
ある所がくさいというのは、水を使う機械だったり、油を使う機械だったりするところはその液体のにおいがしたりして臭いと思ったりはします。
しかし常時そのにおいを嗅いでいるわけではないので、このニオイがどうしてもダメという人以外はそこまで気になるものではないと思います。
汚いという点は現代の工場はクリーンルームがあったり、品質保証は普通の事務所みたいなところです。
作業現場であっても、今の機械は正直にいって綺麗です。汚れる作業があるとしたらメンテナンスのときくらいで普段の作業は汚れるところはあまりありません。
このことから3Kが揃っていると言っている人は工場を知らない人ということなのです。
単純作業でしか働くことができない人が働く所と言われている
作業内容が単純というところで言いましたが、単純作業しか働けないという人は工場では厳しいです。
工場では安全第一であり、単純作業しかできない人は不器用な人が多く、ミスが多かったり、事故なども起こしやすいのです。
今の工場では効率重視なところが多く単純作業だけできても、考えて動ける人じゃないと続けるのは厳しいのです。
そういった事から、単純作業でしか働くことができない人が働く所と言っている人がいたら、その人は単なる思い込み、ただのイメージでしかないというわけです。
5項目あげてみましたが、こんな工場に勤務することが底辺なのでしょうか?
工場勤務がこんな待遇だけど底辺?
- 休みが取りやすい
- 時間通りに出社・退社
- 残業代がしっかりつく
- 寮完備のところが多い
- 資格を取らせてくれる
休みが取りやすい
少しデータが古いというのもありますが、平成24年の製造業の有給取得率を見ると54%と厚生労働省の就労条件総合調査からわかります。
年次有給休暇の取得率になると60%を超えており、かなり高い有給取得率となっています。
大企業しか有給休暇が使えていないというわけではなく、どこの製造業でも有給休暇はしっかり取られているようです。
実際に有給休暇は使えるし、半休制度もあったりするので働きやすい環境だと思います。
もちろん、お盆や年末年始、GWなども大型連休になるので旅行などの計画も立てやすいですね。
時間通りに出社・退社
ほとんどの工場が朝8時から始まります。
早出出勤をすると残業代を企業が残業代を支払うことになるため、あまりに早く出社すると怒られる可能性もあります。
退社時間も規定の退社時間で帰らないと残業代をつけないといけなくなるため就業後は、さくっと帰れます。
残業が多いところもありますが残業時間も細かく集計されるため時間になったら、さくっと帰れるところが多いですね。
残業代がしっかりつく
工数管理などがしっかりしているので、残業や休日出勤の手当は間違いなくつきます。
現在は、働き方改革によって残業時間も制限されており、長時間労働も減っていますが働いた分のお金は全部もらえます。
世間でよく言われているブラック企業はサービス残業、サービス出勤などがありますが工場では、まずありえません。
寮完備のところが多い
期間工などは寮完備されているところが多いです。
大企業であっても寮や社宅があったりするので住むところには困らないでしょう。
寮がないところでも会社が借り上げているアパートがあったりするので、ネカフェ難民、ホームレスの心配はいりません。
給料天引きではありますが、会社によっては格安で住める所も多いようです。
資格を取らせてくれる
工場で必要な資格などは会社で取らせてくれます。
工場作業でどうしても必要な資格があるため、その資格は間違いなくとらせてくれます。
工場の場合、玉掛けやクレーン作業が多く、場合によってはフォークリフトなども必要なため資格を取らせてくれるところが多いです。
もし工場から転職を考えた場合でも資格を持っているということで有利に他の会社に入ることができます。
工場勤務世界的に見たら底辺なの?
世界的にみても、製造業自体の実質GDPランキングでは日本は第3位です。
1位はアメリカ、2位は中国となっていますが日本は3位で61577億ドルという価値を生み出しているのです。
続いて、国内総生産も見てみると日本の産業で製造業は第2位となっています。
日本の就業者数6664万人に対して製造業で働く人は1059万人であり、就業者数の約16%を占める人が製造業に携わっているのです。
この数字をみて工場勤務が底辺だと思いましたか?
工場勤務は底辺どころか高待遇なのでは?
以上のことから、工場勤務は底辺どころか高待遇だと思いませんか?
もちろん会社によって待遇は多少違ったりはします。
ですが、給料が少ないわけでもなく、休みがとれないわけでもありません。
残業代もしっかりでるし、3Kがあてはまるわけでもないのです。
夜勤をしてもいい人ならお金も稼ぎやすいでしょう。
こうやって1つ1つ見ていくと底辺ではないと言えるのではないでしょうか。
工場勤務の未来
工場勤務の人ならわかるかもしれませんが、働いたことがない人はAIに取って代わられる仕事と思われがちです。
しかし、会社は工場の機械を1機いくらで購入していると思っているのでしょうか。
1機ずつ減価償却をしないといけないわけで採算があう年数まで使うのに何年かかると思いますか?
会社はそれを計算して購入しているわけで、すぐにAIに取って代わるということはまずありえません。
しかも今のAIは単純なシステム化しかできないので働いている人のノウハウやコツまでを取り入れることのできるAIはありません。
更に、細かい作業に関して言えば、素材1つ1つも質量が違ったり、機械自体にも癖があります。
もっと細かくいうのなら素材の段階での分子配列すら違っているのに単純作業でなんとかなるものは少ないのです。
一部だけならロボット化やAI化というのはありえますが、全部ロボット化やAI化というものは数年でできるものではないでしょう。
同一労働同一賃金で工場勤務底辺と思われなくなる?
2020年4月から始まる同一労働同一賃金になるという制度を知っていますか?
この制度は、正規労働者と非正規労働者の待遇の差をなくそうという制度です。
まだ始まっていない制度なのでどうなるかは不明ですが、現在問題になっている非正規労働者の待遇が改善されれば会社の労働生産性が向上するのではないかとも言われています。
反面、非正規労働者の待遇がよくなった場合、人件費が高くなり人を雇う企業が少なくなる可能性があるようです。
どうなっていくかは誰もわからないことなので情報収集が大事になってくるのは確かだと思います。
最後に
近年、工場ではありませんが大企業でも早期退職募集があったりします。
会社の役員であったとしてもリストラにあったりもします。
そして、同一労働同一賃金の制度が始まります。
すでに工場勤務が底辺などと気にしている余裕はなくなってきているのです。
工場勤務が底辺などと言っている人は情報弱者です。
時代は変わっていくし、時も進んでいきます。
どの仕事でも上辺、底辺などはありません。
自分の意思でしっかり前に進んでいけばそれでいいと思いますよ。