先日2020年アカデミー賞の授賞式がありましたね。その中で注目されたのがご存知の方が多いと思いますが『パラサイト 半地下の家族』ポン・ジュノ監督の作品です。
その『パラサイト 半地下の家族』がなぜアカデミー賞を受賞できたかというと実は作品が良かっただけというものではありませんでした。では、作品以外でなにが良かったのかと言いますと、ポン・ジュノ監督自身のオタク力(オタクのちから)ではないでしょうか。
もくじ
ポン・ジュノ監督のオタク力がスゴイ!
オタク力とは、その名の通りオタクの力というわけですが日本のイメージで言うとアニオタ・アイドルオタ・鉄オタ等あまり良いイメージがないように思われます。会社に所属しているとオタクというだけで人によっては引く人すらいるようですからね。
しかし、そんなオタク力を持ったオタクな人は実はダイヤの原石なのかもしれません。
オタクな人はこんな能力をもっているからです。
- 時間管理がうまい人が多い
- 体力がある人が多い
- 集中力がある人が多い
- 情報収集能力がある
ポン・ジュノ監督もこの4点にあてはまる人物だったのです。
時間管理がうまい人が多い
パラサイトのポン・ジュノ監督も試写会などの時間が限定されているイベントもしっかり出席しており、計画を立てて実行されています。日本でもオタクな人は、イベントに行くために遅刻しないようにしっかり準備をして時間に間に合うように行動しています。逆を言うと時間通りに動ける人は実はオタクな面もあったりするかもしれませんね。オタクな趣味をやっていて遅刻という場合もあるかもしれませんが…。
体力がある人が多い
ポン・ジュノ監督はアワードシーズンに入ってからは投票所に顔をこまめに出していたようです。ハリウッド映画のようにお金をかけられないので自ら出向いていたようですね。50歳という年齢の中、自らの足で試写会に出向いていたというのも体力がある証拠だと思います。映画に関しても、1994年からの25年間で19本の映画を監督・脚本という立場で携わっており体力がある人物ですよね。
日本のオタクな人でもどんな遠くてもイベントには顔を出したりしている人もいますよね。「ちょっとそこまで…。」と言いつつ遠方まで出向いているオタクな人も結構います。かなり体力ありますよね。
集中力がある人が多い
ポン・ジュノ監督は小さな頃から映画オタクだったようで好きなものに情熱を注ぎ込んできたようです。学生時代でも日本の映画雑誌を見ていたという話もあります。日本のことわざにも「好きこそものの上手なれ」ということわざがあるように好きだからこそ集中力が途切れず続けてこれたように思えますよね。日本でも1つのことに集中する事ができるオタクな人は普段から集中することに慣れているから他事でも集中できているのではないでしょうか。
情報収集能力がある
ポン・ジュノ監督は当然ながら情報収集能力があったと思われます。自分の作った作品や他の人の作品などを比べたり、どうやったら自分の作品を見てくれるか・どんな映画が面白いか・どういった人が面白いと思うかなど調査したりしてきたのだと思います。パラサイトでも格差社会を描いた映画ということで見てくれる人が共感できる映画を制作したのだと思っています。ポン・ジュノ監督は監督という立場ならお金には困っていない立場ではあると思いますが、それでも貧困層の視点からパラサイトという映画を作ることができたということは色々な情報を収集したのでしょうね。
ポン・ジュノ監督オタク力だけでは売れない
ポン・ジュノ監督がアカデミー賞を受賞できたのは、素晴らしい作品とオタク力があったからというには心もとないですよね。世界の映画での授賞式なのでまわりすべてが素晴らしい作品であり、他の映画監督も同じ境遇で映画を作ってきた人たちだからです。
10年前に同じ映画を出していたらひょっとしたらアカデミー賞受賞ということにはならなかったかもしれません。今の時代背景にマッチした映画だからこそ選ばれたというのもあるのかもしれません。
日本に比べ、韓国の映画やドラマはレベルが高いという人も多くいます。そのレベルが高い業界で上り詰めたポン・ジュノ監督は当然レベルが高い監督なのは間違いないでしょう。映画制作にはお金はかかりますが、映画というのは芸術分野です。儲け重視では良いものは創れないとも思います。
最後に
オタク力だけでは、アカデミー賞までとれるわけではありません。努力による実力・運も重なってのアカデミー賞だとは思います。アカデミー賞に限らず、映画製作・ドラマ制作そして他のものもそうですがただ闇雲に作るということだけでは評価されないということもわかりますよね。
ネットの声としては韓国が嫌いだからポン・ジュノ監督を批判するということもあったりするのかもしれませんが映画は芸術です。芸術を見る視点で映画を見れば韓国だろうとアメリカだろうと関係ないはずです。良いものは良い、悪いものは悪いというのは誰が見ても分かると思います。
批判するのは簡単です。映画の内容もここでこうだったらいいのにとか、思ったことあったら発言すればいいと思いますよ。ポン・ジュノ監督は批判がほしいのではなく、感想が欲しいのだと思いますからね。